レンコンの栽培方法
こだわりの栽培方法
味がよく、日持ちのする高品質なレンコンを安定的に栽培していくために、収穫が終わった冬季に堆肥を使用します。
土壌の維持と改善を図り、味のよい高品質なレンコン栽培の準備のためです。
近年では安心の農作物を求める消費者のニーズに応えて、減農薬・低化学肥料に取り組む生産農家が増えています。
一般的なレンコン栽培で使われる石灰窒素を入れずにイナワラの使用や天然由来の肥料として堆肥を多く入れるなどの工夫を重ねています。
出荷時に土付きのままで出荷し、鮮度を保つ工夫を行っていることも、鳥生レンコンのこだわりの一つです。
手堀りで丁寧に収穫
当農園は現在も伝統的な手堀りで1本1本大切に収穫を行っております。
レンコンの収穫方法には大きく分けて、専用の機械を用い、水の圧力で吹き上げる水圧堀り(水堀り)と、1本1本手作業で丁寧に掘っていく手堀りがあります。水圧堀りは手堀りの半分の時間で済むため、現在ではレンコン農家のほとんどが水圧堀りを採用しています。
鳥生レンコンは、ハス田の水を抜いてから、レンコンに傷が付かないよう1本1本時間をかけて手堀りで収穫しております。大切に手堀りされた鳥生レンコンの断面は乳白色が美しく、生でかじると甘いので、サラダをはじめ、レンコンのお刺身にしてもおいしいです。
レンコンができるまで
1. 種入れ
3月の中ごろから4月の暖かくなる時期にかけて、レンコンの種を田畑に蒔き、苗を育てていくところからスタートします。
1984年ころまでは「備中」という品種が栽培されていましたが、腐敗病が流行してレンコン田の9割が収穫できない事態に見舞われました。
そのため、品質改善のため先進地から腐敗病への耐性が強い新品種の「明星」と「金澄」を導入し、現在はこの2品種が主流となっています。
2. 管理
定植後から7月にかけては、品質の高いレンコンを育てるためのきめ細やかな管理作業が続いていきます。
重要となる水質管理をはじめ、状態に合わせて有機肥料を施肥するなど長年の経験と知識に基づく管理を行います。
消費者に喜んでもらうことやよりおいしいレンコンに育てるため、化学肥料は極力使いません。
3. 収穫(早生)
鳥生レンコンの収穫は生育状態にもよりますが、早生種の収穫は8月下旬ごろから忙しくなります。
レンコンは秋の行楽弁当や料亭の秋の御膳に欠かせません。
飲食店や食品メーカーなどですでに準備がスタートしているお節料理の材料としても需要が高まります。
早生種と晩生種の収穫が重なる11月中旬ごろが最も忙しい時期です。
お節料理に欠かせない具材として、年末年始の贈答品としてもご利用いただいております。
4. 収穫(晩生)
晩生種の収穫は秋が深まったころから春先まで続きます。
特に最盛期を迎えるのは1月下旬ごろの寒さの厳しい時期です。
晩生種は、飲食店で鍋物などのご利用、お歳暮や年始のご挨拶の贈答品としても高い評価をいただいております。
また、酢蓮やピクルスをはじめ、旬が終わる前に加工品にする食品メーカーや食品加工施設からのご注文もピークを迎えます。
5. 土壌作り
収穫が終わってもレンコン農家は休む暇もありません。
翌年度の栽培と収穫に備えて、レンコンが元気においしく育つための土壌作りが始まります。
春先にかけて鳥生レンコン独特の粘りや乳白色の美しい色が付き、太く育つように土壌作りを行います。
鳥生地区特有の水利や豊かな土壌を活かしながら、環境にも身体にも優しいエコ栽培が現在の主流です。
一般的にレンコン栽培で使われる石灰窒素を入れず、イナワラや堆肥などの有機肥料を用い、化学肥料は極力使いません。